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太鼓の伝来【和太鼓の歴史】

太鼓の伝来

大陸からの太鼓の流入

古墳時代後期になると、大陸から儒教と仏教が伝来しました。そして、その伝来とともに、中国や朝鮮からさまざまな文化が伝来してきました。
飛鳥時代になると、「舞楽(ぶがく)」「高麗楽(こまがく)」が伝来し、その後、百済から帰化した味摩氏(みまし)によって「伎楽(ぎがく)」が伝わったといわれています。
※舞楽(ぶがく)とは
孔子の時代(紀元前552年~紀元前479年)に確立した中国の雅楽で、中国ではキジの羽根と笛を持って舞う文舞と、楯と斧を持って舞う武舞で構成されたものです。
※高麗楽(こまがく)とは
高句麗(古代朝鮮の一国)から伝来した楽舞でです。
※伎楽(ぎがく)とは
楽器演奏を伴う無言の仮面劇で、南方中国で発生しました。日本では、700年代後半に最も栄えましたが、雅楽の発展などに押され衰えました。

飛鳥時代、日本に伝来した「舞楽(ぶがく)」
このように中国・朝鮮から様々な芸能が伝わった際に、それらに使われる楽器も入ってきて、その中に太鼓も含まれていました。
これが、記録が残っている限りでは、日本に大陸から太鼓が伝わった最初とされているのですが、前述したように古墳時代の埴輪像が打っている太鼓がすでにインドから伝わっていたのではないか?という説もあり、今後の研究により明らかにされることでしょう。

現存する最も古い太鼓

このときに伝わった太鼓の現物として、奈良の正倉院には、奈良時代(710年から784年)を中心に輸入された太鼓の胴や皮の一部が収められています。
また、それらを参考に日本でつくられた太鼓の胴なども残っています。これらが日本に現存している最古の太鼓ということになります。
正倉院に収められている太鼓は『細腰鼓(さいようこ)』といわれるのもので、『鼓』という名前で日本に伝わってきた当時は「くれつづみ」と呼ばれていました。
『細腰鼓(さいようこ)』は、中央がくびれている細長い胴の両端に皮をあてて、二方の皮を調緒(しらべお・鼓などで使用されるロープ)で締める締太鼓でした。


(左)正倉院所蔵の『磁鼓筒』(磁器製の胴)。くびれた中央部から口縁に向かってふくよかなふくらみが見られ、三彩で美しく文様が描かれている。(正倉院南倉蔵)
(右)正倉院所蔵の『腰鼓(※細腰鼓の一種)』の胴。伎楽専用の鼓で、右の「東大寺」の刻銘があるものは長さ約42cm、口径約14cm。左は長さ41cm 、口径14.5cm。(正倉院南倉蔵)
出典:太鼓という楽器(財団法人 浅野太鼓文化研究所)

これらの太鼓の胴は、ほとんどが木製だったのですが、中には陶製のものもあったようで、それには、三彩の釉薬(うわぐすり)によって美しい彩色がほどこされていたそうです。
「くれつづみ」の起源は、古代インドといわれており、その後シルクロードを通って中国に伝えられたと考えられています。
しかしながら、前述しましたように「くれつづみ」が伝えられたときには、日本にはすでに「つづみ」という言葉があったという記録が残っており、この「つづみ」という言葉は、インドの太鼓を意味する「ヅンヅビー」が転化したとの説もあります。
※これは、私の私見ですが、獅子舞がインドから日本に伝わったときに、大陸を通って日本に伝わったルートと、南方の島々を通って日本に伝わったルートがあったといわれています。
インドの「ヅンヅビー」と呼ばれる太鼓は、獅子舞と一緒に南方の島々経由で大陸経由より早く日本に伝わっていたとも考えられるのではないでしょうか?

日本独自の太鼓へと変化

このように、飛鳥時代から奈良時代にかけて日本に伝わった締太鼓は、平安時代(794年~1191年)以降に、日本人独自の様式美と美意識のもとで、日本らしいより美しい形へと変化していきました。
そして、「雅楽」や「田楽」、「猿楽」などが発展することにより、太鼓にはいっそうの美術的・機能的な工夫が加えられ太鼓の形が日本独特の形に洗練されていきました。
※雅楽(ががく)とは
中国・朝鮮から伝わった音楽や舞に、以前から伝わる音楽や舞が融合し日本化した芸術で、10世紀頃に大まかな形態が成立し、今日まで伝承されています。もともとは奈良時代にまでさかのぼります。
※田楽(でんがく)とは
農耕行事にともなう歌舞から起こり、のちには専業の田楽法師が現れました。当初は、田楽踊りと散楽系の国芸を主要な芸としましたが、鎌倉末期からは田楽法師によって、猿能楽も演じられるようになりました。
※猿楽(さるがく)とは
散楽から発展し、奇術やものまねなどを中心とした演芸です。鎌倉時代には祭礼などで、興行が行われて、一般庶民にも愛好されました。室町時代になって田楽や曲舞などの要素も取り入れ、観阿弥、世阿弥親子によって『夢幻能』として大成されました。

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