和太鼓の保管について
日本には四季がありますので、季節によっては湿気の多いときもあれば空気が乾燥しているときもあります。また暑い季節もあり寒い季節もあります。このようなゆるやかな移り変わりは、自然の中で生きてきた木の胴は対応しますので問題はありませんが、和太鼓の寿命を延ばすためにも適切な場所に保管することが重要です。
保管についての注意点
人工的につくられた短時間に急激に環境が変化するところ、たとえば冷暖房の入った過度に乾燥した部屋などでは、胴が対応しきれずに色々な障害がおきることがあります。
直射日光のあたるところには置いてはいけません。
屋外での放置・保管も避けてください。和太鼓は、水分、直射日光、風に弱いということを頭に入れておいてください。
湿気の多い場所には置かないようにしましょう。また、通気性のない素材のケースに長時間入れたままにしておくのも感心しません。
適度に乾燥した風通しの良い場所で保管するのが最適ですが、その場合は、台に乗せるなどして皮が直接床にあたらないようにするのが良いと思います。
保管場所を誤ると
太鼓の皮は湿気と過乾燥を嫌います。保管する場所の湿度や乾燥に注意が必要です。
湿度が高いとナメクジなどが這う(皮を食べる)こともあります。またネズミなどの小動物が皮をかじることもあります。
そうした被害にあえば皮の強度が弱まったり、場合によっては使用できなくなることもあります。そうした小動物の被害に遭わないようにする配慮も必要です。
和太鼓の胴は木でできています。1本の木をくり抜いてつくっているものもありますが、木を張り合わせてつくった胴もあります。
湿気の多い場所に置いておくと胴がゆがんでしまうことがあり、高温で乾燥している場所では胴が縮んで割れてしまうこともありますので十分な注意が必要です。
※私たちは、張り合わせ胴の太鼓も使っていますが、張り合わせているところが割れて胴に隙間ができてしまったものがあります。こうなってしまうとどうすることもできませんので、普段から注意することが大切です。
張り合わせ部分が割れてしまった長胴太鼓(こうなってしまうと、どうすることもできません。)
理想的な保管場所とは
理想的な太鼓の保管場所は、「できるだけ風通しの良い場所」「直射日光の当たらない場所」「暖房・冷房などエアコンや空調の影響を受けない場所」「ネズミがいない場所」…といったところ、でしょうか。つまりは「人間が快適に過ごせる場所」ということになります。
理想的な保管場所と思われるところは、まわりを木々で囲まれた鎮守の森の中にある神社の本堂のような場所です。周辺の木々のおかげで年間を通して一定の範囲の温度や湿度の環境にしてくれて、そういった場所は、風通しも良いものです。
実際にそうした保管場所を確保できるグループはほとんどいないと思われますが、そういうイメージを持って保管場所を探すと良いでしょう。
現実的には、出来るだけ湿度が低く、日が当たらない場所、学校の体育館、音楽室なら大丈夫でしょう。家庭の普通の部屋でも問題ないと思います。
風通しが良い場所は良いですが、直接風にさらされ続ける場所は保管に適しません。
どうしても風の当る場所に置かざるを得ない場合は、布や毛布等を掛けておくとよいでしょう。
※私たちは、公民館のホールの隣にある倉庫に和太鼓を保管させてもらっています。風通しという面ではあまりよくないのですが、太鼓に布をかけておくなど、できるだけの配慮をして保管しています。