和太鼓の基礎が身についてきたらやはり曲を演奏してみたくなります。曲を演奏することができるようになるとやる気も倍増しますし、イベント等で演奏するチャンスも生まれてきます。
オリジナル曲を演奏するのがベストですが、なかなか敷居が高いので、私たちのグループもそうでしたけど、まずは代表的な曲を練習しレパートリーを増やしていけばよいのではないでしょうか。
私たちが初めて習った曲は「ぶちあわせ太鼓」です。この曲は神奈川県の漁師町に伝わる力強い太鼓でとても気に入っています。私が和太鼓を始めるきっかけとなった曲も漁師町に伝わる太鼓でしたのでぴったりの練習曲でした。
ここでは私がおすすめの、そして実際に舞台で演奏してる曲をご紹介します。

ぶちあわせ太鼓

神奈川県の三浦半島にある海南神社の祭礼で叩かれている太鼓です。昔は漁師たちが村ごとに大漁を祈り、競い合って太鼓を叩いたといわれています。
勝った村はその年の大漁が約束され、負けた側は太鼓の皮を破られ海に投げ込まれたという言い伝えもあるほど激しい太鼓で、別名「けんか太鼓」とも呼ばれています。
私たちが最初に取り組んだ曲で、その後けんか(太鼓を奪い合うこと)を取り入れアレンジし、獅子舞も登場させて荒獅子太鼓として仕上げました。

 八丈島太鼓

流人の島であった八丈島。刀を取り上げられた流人たちが、二本のばちに望郷の思いを託して打ち鳴らしたのが、八丈島太鼓の始まりと云われています。
八丈島太鼓は、太鼓を横向きにして台座の上に乗せ、両面から2人で叩きます。1人は地打ち、もう1人はそのリズムに乗せて自由奔放に太鼓を打ち鳴らします。この演奏スタイルが八丈島太鼓の最大の魅力となっています。
八丈島太鼓は、八丈太鼓、八丈ドンドラともいわれ一般的な楽譜もあります。私たちはその楽譜にしたがい、2人一組であるいは太鼓を平置きにして大勢で叩いたりしています。

 三宅太鼓

 
東京からはるか南にある伊豆諸島のひとつ「三宅島」に伝わっている太鼓です。
島では「三宅島神着神輿太鼓(みやけじまかみつきみこしだいこ)」と呼ばれています。この太鼓は、「魅せる」と「演奏」を両立させたスタイルの太鼓で、腰を落とした低い姿勢で、地面に近い低位置に据えられた太鼓に、全身を使って両面から2人で打ち込むというものです。
シンプルだけど奥が深く力強いリズムで、「耳で聴く」音色ではなく、「身体に響く」音色を特徴としています。
私たちは、太鼓の台を自作し、おもいっきり低くしてこの太鼓を叩いたものです。叩く姿勢をとるだけでもかなり体力を要する太鼓でした。

屋台ばやし

日本三大夜祭のひとつである埼玉県の秩父夜祭で、巨大な山車(屋台や笠鉾)が運行する際に、山車の中で叩かれている太鼓です。
祭りの開催が12月ということもあり、厳しい寒さの冬の夜、豪快な太鼓のリズムがまつりを盛り上げます。笠鉾や屋台の動きに合わせて、自在に曲の構成を変え「大波」「小波」など独特のリズムを叩きます。
また、小太鼓のソロとして叩かれる「玉入れ」は打ち手のバチさばきの見せ所です。
軽快なリズムが魅力で、私たちも「ぶちあわせ太鼓」の次に取り組んだ曲です。屋台ばやし用の独自の台に太鼓を置き、座って太鼓を打つ独特のスタイルは、背筋と腹筋を使う打ち方なのでかなりきつかったのを覚えています。現在は平置きの太鼓でも叩いたりいろいろな叩き方をしています。

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