バチ

太鼓のバチに使う木は、代表的なものとして、樫(カシ)、檜(ヒノキ)、朴(ホオ)などがあります。そのほかにも、楓(カエデ)、ブナ、サワグルミなどがあります。

材質によって打った時の音色も違いますし、バチの先端の形状によっても音色が変わります。
バチで最も多い形状は円柱形で、ソフトな音(丸い音)を出すにはやわらかめのバチを、シャープな音(硬い音)を出すにはやや細めで硬いバチを使います。
先を丸くすれば皮に当たる面が大きくなって丸い音が出ますし、先端を切りっぱなしで角だけとって仕上げれば鋭い音がでます。

材質によるバチの特徴

カシ(樫)・・・硬くて緻密です。折れにくく重さが均等で、長胴太鼓に多く使用されます。

私が太鼓をはじめたとき、最初に使ったのが樫のバチです。このバチで太鼓を叩くとドーンという大きな音が出て気持ちよく叩けたことを思い出します。非常に硬いので、太鼓の胴を強く打った場合に、胴が凹んだり、欠けたりと痛む原因にもなるので注意が必要です。
ホオ(朴)・・・軽く緻密で縮みや割れ、反り返りがありません。

私は、締太鼓を叩くときに、テーパーになったものを使っています。
ヒノキ(檜)・・・やわらかく緻密で強靭(きょうじん)で芳香があります。大太鼓用として多く使用されています。

私は、屋台ばやしを叩くときに使っています。柔らかくしなるので、衝撃や振動をバチが吸収し腕への負担が非常に少ないのですが、太鼓の胴を叩くと、どうしてもバチが凹んでしまいます。
この太鼓には、このバチでなくてはならないという決まりはありません。各グループによって創る音、打ち方、打つスタイルも違いますから、使いやすいバチも様々であって当然です。バチは太鼓の種類や大きさによって、打ち手の体格、体力に応じて、曲名によっても変えるのが良いと思います。

注意点

ばちの先端に角ができていないか、ささくれ等尖った部分がないか、打つ前に必ずチェックして太鼓を傷つけないようにしましょう。角が立っていたり、ささくれができた場合などはヤスリで落とします。硬い木のバチで大きくささくれてしまった場合は、新しいものに取り換えたほうが良いと思います。
 私たちのグループで、新しい太鼓の音を低くするために大きなバチで太鼓をガンガン叩き込み皮を破ってしまったことがあります。太鼓にあったバチを使うことが大切であることを痛感しました。

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